過払い金請求・貸金業者から和解を提案された時の対処法
借金を返済している途中で、貸金業者から和解をしないか?と持ち掛けられた場合はすぐに弁護士や司法書士に相談しましょう。
和解書を結んでしまうと、貸金業者は過払い金の請求をしても和解書があると主張して、お金を返さないと言ってきます。
また、過去に和解している記憶があるからと過払い金の請求を諦めている方も、内容によっては請求できることがあります。
まずは当事務所の無料相談を一度ご利用ください。
もくじ
過払い金が発生していたけど全額返してくれない!
過払い金の調査をして、過払い金が発生していた場合、苦労して返済していたのに全額返還してもらえないと納得ができないという気持ちは当然だと思います。
依頼する弁護士や司法書士事務所によって、戻ってくる金額に差があることも事実です。
大手のテレビCMをおこなっているような弁護士・司法書士事務所では貸金業者と協定(きょうてい)を結んでいるという本来なら考えられないようなことが実際にあります。
大量案件をさばくために依頼者の利益を考えず、儲け主義の事務所に依頼してしまって結果に納得できない場合には、契約を解任(かいにん)して別の事務所に依頼をするという方法もあります。
ただし、過払い金は必ずしも全額戻ってくるという保証がされているわけではないため、正しい知識を理解した上でご自身の落としどころを決めていくようにしましょう。
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和解する?
過払い金が発生していた場合、依頼した弁護士や司法書士事務所が裁判をせずに貸金業者と直接、返還金額の交渉をして解決することを「和解(わかい)」といいます。
和解交渉をしていて貸金業者が返還金額を提案してきた場合、依頼者に提案金額で納得するのかどうか、ご自身の意見を求められることになります。
貸金業者の経営状況によって提案される金額が大きく左右されますが、過払い金の返還請求に耐えられず、倒産してしまった貸金業者や、いまにも倒産しそうな会社がたくさんあることも事実です。
過払い金は請求する先の会社が倒産してしまうと、いくら過払い金が発生していても戻ってきません。
依頼している弁護士・司法書士事務所に言いくるめられてしまい、納得していないのに和解を了承する必要はありませんが、現実的に一円も戻ってこないという事態だけは避けたいですよね。
個々の取引によっても貸金業者からの提案金額に差はでますが、おおよその返還率の平均以内であれば早期解決のために和解することも方法の一つです。
【代表的な貸金業者の和解による返還率平均】
アコム | 80%~100% |
---|---|
プロミス | 70%~100% |
レイク | 70%~100% |
アイフル | 40%~60% |
CFJ | 50%~70% |
シンキ | 50%~70% |
新生カード | 80%~100% |
エポス | 90%~100% |
セゾン | 100% |
オリコ | 100% |
ニコス | 100% |
セディナ | 100% |
イオン | 100% |
ニッセンGE | 80%~100% |
アプラス | 80%~100% |
ポケットカード | 80%~100% |
ゼロファースト | 100% |
JCB | 100% |
ライフカード | 40%~60% |
武富士 | 武富士への債権届は、原則平成23年2月28日(月)までで締切りとなっています。返還率は債権届を提出した順に3.3% |
裁判する?
和解交渉をしても貸金業者から納得がいく金額の提案がない場合には、訴訟を検討しましょう。
基本的に訴訟をすることにデメリットはありません。
しかし、大量に案件をさばいているような事務所では訴訟に手間がかかるため、依頼者が訴訟を希望しても前向きではない事務所があるので注意が必要です。
訴訟をするメリットとしては発生していた過払い金+利息も全額返してもらえることです。
訴訟をせず、和解交渉で進める場合でも、当然、発生していた利息の請求はします。
しかし、和解交渉で100%返還してくれる優良な貸金業者であっても「利息分はカットしてほしい」と提案してくるケースもあるため、多額に利息が発生している場合には訴訟を含めて検討する必要があります。
過払い金の利息は過払い金が発生した時から返還日まで過払金元本に対して年5%です。
裁判中でも和解はできます。
訴訟をして過払い金を取り戻す決断をした場合でも「裁判=判決をもらうまで争わなくてはならない!」というわけではなく、判決になる前に何度か貸金業者から和解案が提示されることがあります。
貸金業者によっては、和解交渉では50%程度から上がらなかった返還率が、訴訟を起こした段階で90~100%近い金額まで引き上げた提案をしてくることがあります。
ある程度、納得できる金額まで上がった段階で、裁判の中で和解することもありますので依頼した弁護士や司法書士とよく相談して損をしない選択をしましょう。
よくわからないまま貸金業者と和解したかもしれない!
私的和解(してきわかい)ってなに?
過払い金の調査をしたときに、過去に直接貸金業者と依頼者がすでに和解をしていることが判明するケースがあります。
これを「私的和解(してきわかい)」といい、過払い金の請求をするときに争点になります。
清算条項(せいさんじょうこう)ってなに?
和解書には、これでお互いに債権債務はなしにするという内容の一文これでお互いに債権債務はなしにするという内容の一文が書かれていることがあり、これを「清算条項(せいさんじょうこう)」といいます。
和解は無効にできる?
和解書に清算条項の文言があるのか?という点が重要なポイントになりますが、当事務所にご相談頂く方も、書面を貸金業者と交わした記憶はあるが、「内容は覚えていない・和解書も処分した」という方がほとんどです。
しかし、何か書面を交わしたからと過払い金の請求を諦める必要はありません。
弁護士や司法書士に依頼をすると、和解書は貸金業者が保管しているため確認することができます。
また、状況によっては和解自体を錯誤無効(民法95条)の主張ができるケースや、満額回収はできなくても和解交渉することで貸金業者から解決金という名目で受け取っていない過払い金を返還してもらえるケースもありますので一度ご相談ください。
一般の方が専門的な知識がない状態で、「苦しい借金生活から抜け出せる」と貸金業者から和解をもちかけられて飛びつき、和解してしまう気持ちは当然だと思います。
貸金業者から「借金はゼロにする」・「過払い金が発生しているから〇〇円払うからこれで終わりにしよう。」と言われた場合には返事をせず、すぐに弁護士や司法書士に相談しましょう。
争点ってなに?
争点とは、過払い金請求をしたときに貸金業者は少しでも払う金額を低くしたいため、いろいろな主張をしてくる場合があり、争点の主張を譲らないときには裁判で争うことになります。
すでに判決がでている争点の中には貸金業者の言い分が認められているケースもあるので和解を選択して解決をすすめられる場合があります。
途中完済がある場合の分断
長い借金生活の中で貸金業者から借りて完済をしたけれど、また事情があり、同じ貸金業者から再度借入をしたという場合があります。
途中で完済をして再度借入をするまでの空白期間がどのくらいだったかにより、過払い金の計算をするときに取引をひとつの取引として計算(一連計算)するのか、バラバラに計算をするのか(分断)で過払い金の請求できる金額が変わります。
一連計算をしたほうが金額を高く請求できるケースがおおく、貸金業者は空白期間を争点として分断を主張してきます。
また、一回目の完済時期が10年以上前にあたる場合は、一度目の取引で発生した過払い金は時効により請求ができないということがあります。
しかし、一連計算ができれば最初に借入した時期が何年前であっても請求することが可能です。空白期間は1年以上・以下を基準に考えます。2年~3年空白期間があると裁判をしても負けてしまうため、分断を認めることになります。
途中開示
初回の借入時期があまりにも古い場合、すでに履歴が破棄されていて貸金業者から取引履歴がすべて開示されない場合があります。
取引履歴が開示されていない部分について推定計算をする必要があります。
推定計算とは、開示されていない取引期間を手元にある通帳やATMの控えなどから、借入と返済の取引を推定して再現し、それを元に計算をおこなう方法です。
過払金返還請求をするときに、この推定計算で算定された過払い金が認められるかどうかは、その推定に合理性があるのかが重要となってきます。
全く証拠が残っていないという場合には陳述書を作成することになります。
推定計算の一種として取引履歴の当初の残高を0円として計算する残高無視計算(0計算)という推定方法もありますが、一般の方がご自身で計算することは難しく、取引履歴を取り寄せてみたけれど途中開示だったという場合には、損をしないように弁護士や司法書士に相談しましょう。
途中開示をしてくるおもな貸金業者はオリエントコーポレーション・三菱UFJニコス・三井住友カード・クレディセゾンなどの信販会社が代表的です。
第三者弁済
過払い金の請求をしたときに、貸金業者が「借金を返したのは、名義人である契約者ではなく、他の人だから、過払い金すべてを返金しない」という主張をされることがあります。
名義貸しをしていたり、借金が親や家族にバレてしまい、名義人ではない人が返済をした事実がある場合のケースです。
第三者が親族である場合には過払い金請求に納得してもらい、協力をしてもらうことになります。
和解書を三者間和解にすることで、過払い金の請求は全額可能になります。
CFJやプロミス、アコムが主張してくることが多い争点です。
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過払い金請求・和解に納得できない場合【司法書士法人みつ葉グループ】へ
貸金業者はなるべく過払い金を払いたくないため、返済中に利息を減額してくれたり、過払い金が発生しているから借金をゼロで和解しましょうと、甘い言葉で和解を持ち掛けてきます。
絶対に和解をするまえに弁護士や司法書士に相談をしましょう。長い期間苦しい思いをして払ったお金を面倒だからと終わらせてしまうと、やがて時効がきて請求ができなくなってしまいます。
当事務所では電話・メールで全国の方から無料相談を受け付けております。
過去に和解をしてしまったかもしれないという方も、是非一度ご連絡ください。