債務整理をしたら住宅ローンとか自動車ローンはどうなるの?ローンは組める?
もくじ
今現在、住宅ローンや車のオートローンを組んでいる方は、借金の返済が苦しくて債務整理を希望していても、債務整理をしたあとに、いま払っているローンがどうなるのか不安でなかなか相談する決心ができない方もいらっしゃると思います。
住宅ローン・車のローンを返済中の方
また、今後、家や車のローンを組む予定がある方へ向けて債務整理をするタイミングや、手続きをすることでどんな影響が考えられるのかポイントを解説します。
自分の状況にあった解決方法を見つけて、借金問題は早く解決しましょう。
いま現在、ローンの返済中だけど債務整理をしたい場合
生活していく中で浪費やギャンブルをしていなくても病気や失業など、突然の事態で経済的に苦しくなることは誰にでも起こりうることです。
借金の返済が苦しくなったときに重くのしかかってくるのが、住宅ローンや自動車ローン、そしてショッピングローンなどの返済です。
ローンの返済中に債務整理したい場合は、自分に合った適切な方法を選ぶことが必要です。
理由は、住宅や車のローンを「債務整理の対象」にしてしまうと、返済中の場合には手放すことになるからです。
ただし、毎月、全く返済ができないということではなく、月々の返済額が下がれば継続して支払い続けることができるのであれば、家や車を手放さず債務整理をする方法もあります。
月の返済額が下がれば生活を立て直せるという場合はすぐに司法書士や弁護士などの専門家に相談しましょう。
支払い中の家や車を残したい場合は任意整理・過払い金請求・特定調停
家や車を手元に残したいときには、借りている貸金業者やローン会社を債務整理の対象から外さなければなりません。
これを知らずに債務整理手続きをしてしまうと、家や車を引き揚げられてしまいます。
任意整理や特定調停・過払い金請求の手続きは貸金業者を選んで債務整理をおこなうことが可能な手続きです。
また、すでに返済したローンの中で過払い金が発生しているものがあれば、もどってきたお金を他の借金の返済に充当することができます。
任意整理
任意整理とは、裁判所を通さずに、司法書士や弁護士が依頼者の代理人となり、借金の減額や将来利息のカット、毎月の返済額を話し合う手続きのことです。
貸金業者との話し合いに合意することを「和解」といいます。
司法書士や弁護士に手続きの依頼をすると、和解をするまで貸金業者への返済は一度ストップすることが可能です。
任意整理について詳しくはこちら
特定調停
特定調停とは、ご自身で裁判所に出向き、裁判所が介入して貸金業者との解決案の話し合いをお手伝いしてもらう債務整理手続きです。
基本的には任意整理手続きと一緒で、将来利息や遅延損害金のカット、月々の返済額の減額などを話し合います。
特定調停について詳しくはこちら
過払い金請求
過払い金とは、消費者金融やクレジットカードのキャッシングをして、貸金業者に支払い過ぎていた利息のことです。
本来は返す必要のないお金まで返したわけですから、払いすぎていた分を貸金業者に対して返すよう請求することを過払い金請求といいます。
過払い金請求について詳しくはこちら
任意整理でも返済が苦しい時は「個人再生」という手続き
債務整理手続きには種類がありますが、任意整理をしても毎月の返済額が厳しいという場合があります。
その場合は、個人再生の手続きを選択することで家や車を手放さずに済む方法があります。
個人再生とは、裁判所に申し立てをして、原則、借金を5分の1または100万円まで減額してもらう手続きです。
個人再生手続きの最大のメリットは、「☞住宅ローン特例(住宅資金特別条項)」を利用できることです。
住宅ローン特例とは、簡単にいうと、住宅ローンを債務整理の対象から外して、住宅ローンの返済を続けることができる特例で、これによってマイホームを残すことが可能になります。
個人再生手続きをすると、住宅ローン以外のショッピングローンやクレジットカードなどはすべて整理の対象になりますが、住宅ローンの返済を継続することができ、返済額が下がることによって生活面も余裕ができるため、マイホームを残したいという方へは十分意味のある手続きです。
また、個人再生手続きは原則、借金を5分の1または100万円まで減額してもらう手続きですが、車などを手元に残したいという場合、借金を5分の1または100万円まで減額した金額と車の資産価値を比較して車のほうが清算価値が高い場合、その清算価値の金額を原則3年で分割弁済できれば、車は手元に残せるということになります。
個人再生について詳しくはこちら
「自己破産」の手続きは家や車を持ち続けることができない
自己破産は裁判所に申し立てをして自己破産が妥当と認められれば、すべての返済が免除されるのが最大の特徴です。
ただし、自己破産はすべての貸金業者・クレジットカード会社・ローンを対象にしなければなりません。
個人再生とは違って住宅ローン特例もなく、自動車ローンやショッピングローンはもちろん、銀行の借入などもすべて申請します。そのため、自己破産をするためには家も車も手放さなければなりません。
自己破産するときには返済に充当できる資産があれば、処分して貸金業者に配当されることが原則です。
そのため、ローンが終わっていても家や車も売却の対象になります。
ただし、売却してもほとんど価値がないと判断されれば手放す必要はありませんし、生活に必要なものまですべて取り上げられるということはありません。
手放さなくてはならない基準としては、売却したときに20万円以上の資産価値があるものです。
売っても20万円以上の査定価値がなければ持っていられるってことね!
さらに、仕事に必要なものであれば免除される場合がありますので、弁護士や司法書士によく相談しましょう。
自己破産について詳しくはこちら
債務整理後にローンを組む方法
過払い金請求をしてもローンの審査には影響しない
債務整理の中でも過払い金請求は他の債務整理手続きとは異なる点があります。
通常、債務整理手続きをすると、信用情報機関にその事実が記載され、いわゆるブラックリストの状態になりますが、過払い金請求に関しては、信用情報機関にいっさい記録されません。
返済中の場合には、まず発生している過払い金をまず調査します。
返済中でも調査だけならまったく信用情報には影響ないんだよね。
調査の結果、「残っている借金を発生している過払い金で完済できる」場合には全く信用情報機関に影響はありません。
今後、住宅ローンを利用する予定がある場合でも、過払い金請求でブラックリストにのることはないので審査には全く影響はありません。
むしろ、住宅ローンのような大きなローンを利用したいときには、過払い金が発生しているならば早く請求をして、借金はできるだけ完済しておきましょう。
借金が残っている状態での住宅ローンの審査は、かなり厳しいと考えたほうがよいです。
過払い金請求に関してはまだまだデメリットがあると誤解されている方もいらっしゃいますが、過払い金請求で解決できることがないか司法書士や弁護士に相談してみましょう。
具体的にブラックリストとは何か?
ブラックリストという言葉を聞いたことがあるひとは多いと思いますが、実際にはブラックリストというリストは存在しません。
どういうことかというと、債務整理をした場合には、ブラックリストに名前が載るわけではなく、個人の信用情報に対して債務整理をしたという事故情報が記録されるということにになります。
信用情報のデータは借金をするときやローンを組むとき、クレジットカードの契約や更新をするときに審査の基準とされるため、債務整理をしたという記録があると審査は通らなくなります。
このように信用情報に事故情報が記録されていることをいつの間にか「ブラックリストにのる」と呼ばれるようになりました。
ブラックリスト(信用情報機関)に登録されるとは?
信用情報機関に事故情報が登録される理由は債務整理をしたとき以外にもあります。
債務整理だけが記録される対象ではありません。
どんな理由が該当するのか必ず確認しましょう。
もしかしたら、すでにブラックリストに載っているのに気が付いていないというケースがあり、その場合には次のクレジットカードの更新ができないためすぐに債務整理をすることをおすすめします。
信用情報機関は3つの機関があり、貸金業者・消費者金融・信販会社・銀行などは3つの機関のどこかに必ず加盟することが義務付けられています。
ただし、3つの信用情報機関ではお互いに情報共有しているため、債務整理をおこなった貸金業者が加盟している信用情報機関がどこかひとつだったとしても、債務整理した情報はすべての貸金業者に見られてしまうので注意が必要です。
- 株式会社日本信用情報機構(JICC)
- JICCの正式名称を株式会社日本信用情報機構です。
JICCには、消費者金融や銀行など、種類を問わず多くの金融機関が加盟しています。
銀行はメガバンクはほぼ加盟しておらず、ネット銀行が中心となっています。
消費者金融の加盟数が多く、消費者金融の加盟率は3機関の中で最も高いです。
- 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
- CICの正式名称は株式会社シー・アイ・シーです。CICに加盟しているのは信販系のカード会社が主ですが、JICCにも加盟しているところもあります。信販系とはクレジットカード会社のことを指します。
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
- KSCとは全国銀行個人信用情報センターの略称で、一般社団法人全国銀行協会(全銀協)が運営する信用情報機関のことです。
KSCは全銀協が運営する個人信用情報機関なので、主に銀行が加盟しています。
クレジットカード会社はほとんど加盟していませんが、大手だとアメリカンエキスプレス。他にも地方銀行が出資しているクレジットカード会社など、一部のクレジットカード会社が加盟しています。
ブラックリスト(信用情報機関)にのるケース
①61日以上3カ月以上の延滞があった時
返済が61日以上(3カ月)の延滞があった場合は延滞した記録が登録されます。
信用情報機関によって登録される期間は違いますが、すでに延滞している場合には延滞を解消したとしても一定期間記録が削除されることはありませんので、クレジットカードの更新などは難しい可能性が高いです。
②債務整理をした時
債務整理をおこなった場合は事故情報として記録されます。ただし一定期間の間だけなので、登録されても一生ローンが組めるわけではありません。
また、過払い金が発生していた場合、過払い金請求はブラックリストにのらないので心配ありません。
③携帯電話端末の分割払いが遅れている時
携帯電話やスマートフォンなどの携帯端末機器を分割払いにしている場合、支払いが遅れてしまうと記録されます。
これは意外と盲点になっていることが多いので注意が必要です。
- CICに登録している携帯会社・・・NTTドコモ・KDDI(au)・ソフトバンク
- JICCに登録している携帯会社・・・ソフトバンク
④奨学金の返還が遅れている時
奨学金の返済も延滞が3カ月以上になると事故情報として登録されます。
⑤代位弁済(だいいべんさい)された時
代位弁済(だいいべんさい)とは、貸金業者が融資をするときに万が一、返済が滞ったときにそなえて「保証会社」という保証人と同様の効果、保険をかけて融資をしている場合があり、何らかの理由で返済がされなくなった場合、本人に代わって保証会社が残りの借金の返済を金融会社に対しておこなうことを意味します。
保証会社が返済をしたからといって返済義務がなくなるわけではなく、代位弁済がされると次は保証会社から督促を受けるということになります。
保証会社から督促がきたらすでに代位弁済は完了したことになるので、事故情報として登録されたと判断できます。
代位弁済は放置してしまうと給料の差し押さえや裁判など、日々の生活に影響がでるため、すぐに債務整理をしましょう。
事故情報が登録されている状態でローンの審査はむずかしい
債務整理をおこなう際に気をつけておきたいのは、その後にローンを組みたいというときの審査です。
債務整理後は、クレジットカードやカードローン、住宅ローンなど、審査が通らない一定期間があるということは頭に入れておきましょう。
審査が通らない理由としては、債務整理の事実が事故情報として信用情報機関に記録されてしまうためです。
多くの資金業者や銀行は、信用情報機関の情報を審査の基準にしています。
そのため、債務整理や過去に滞納をしたという事故情報があれば審査は通しません。
この信用情報機関に登録される事故情報が、いわゆるブラックリストといわれているもので、これが一定期間経過し、消えてからでないと審査に通るのは難しいです。
ただし、事故情報は一生消えないわけではありません。
あくまで一定の期間を過ぎてしまえば記録は削除されます。
債務整理後、ブラックリストになっている期間
信用情報機関は全部で3つ存在します。
消費者金融系、信販会社系、そして銀行系があり、貸金業者や銀行はそれぞれ融資や審査のときにこの信用情報に事故情報がないかどうかを判断基準として利用することが法律で義務づけられています。
しかし、信用情報機関は3つの機関がそれぞれで独自に情報の管理をしていますが、CRINというネットワークシステムで情報を共有しています。
そのため、1社でも滞納や遅延、または債務整理をしたという情報があれば、登録されている信用情報機関が別であっても、ローンやクレジットカードの審査は通らないと考えたほうがいいでしょう。
また、ブラックリストといわれる期間は信用情報機関によって異なります。
ローンやクレジットカードの契約を考えている場合は、以下にある期間を参考にしてください。
また、信用情報機関は本人が自分で情報開示を請求することが可能です。
住宅ローンのような重要なローンを考えているときは、事前に事故情報が消えているか確認してから申し込みを検討しましょう。
【信用情報登録期間】
株式会社日本信用情報機構(JICC) | 株式会社シー・アイ・シー(CIC) | 全国銀行個人信用情報センター(KSC) | |
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ブラックリストの登録はいつからされるか
債務整理を検討する際に、ブラックリストの登録のタイミングが気になりますよね。
そこで、ブラックリストとして登録されるタイミングや期間について解説します。
記録されるのは、通常であれば債務整理の手続きをおこなったときからが原則です。
しかし、例外もあるので覚えておきましょう。
例えば、シー・アイ・シー(CIC)の場合は任意整理では事故情報は載らないとされています。
しかし、3カ月以上の滞納があった場合、「異動」という事故情報が記録されます。
そのうえ、異動の時効情報は完済してから5年は消えません。
延滞した「移動」の情報が記録されている期間は審査には通らないので、任意整理をした情報がなくても結局はブラックリストと同じ扱いということになります。
任意整理を検討している人は、手続きをおこなう前にすでに滞納していることが多いため、任意整理の場合はブラックリストから消えるのは「完済してから5年間」と考えるのが妥当でしょう。
これはすべての債務整理にいえることです。
滞納がない状態で、債務整理に踏み切るというのはまれなケースで、なかには滞納が進み、督促が厳しくなってからやむなく債務整理をする人もいます。
債務整理をしない場合でも過去に滞納した経験があれば、ブラックリストとしてすでに処理されている可能性が高いと考えておきましょう。
その場合、新規の借入はできません。延滞がある場合は今は使用できているクレジットカードも更新のタイミングなどで急に利用できなくなる可能性があります。
すぐに債務整理の相談をしましょう。
信用情報は審査基準の中のひとつ
債務整理の手続きは一定期間ローンが組めないというリスクもありますが、悲観することばかりではありません。
何より債務整理は借金問題を解決できるという最大のメリットがあります。
ローン審査に影響するのは確かですが、債務整理をしたという事情は、あくまで数ある審査基準のひとつに過ぎません。
ローンの内容や性質によっては利用できる可能性もあります。
事業資金に限定されますが、債務整理をおこなった者を対象に借入に応じている公庫もそのひとつです。
自己破産の手続きは一定以上の資産価値があるものを失うリスクはありますが、逆にいうと、資産価値が高いものを持っていなければすべての借金をゼロにしてもらい、人生の再スタートをできる方法です。
ブラックリストや信用情報を気にしすぎるあまり、債務整理をしたほうがいいタイミングを後回しにしても良いことはひとつもありません。
返済がつらくなってきた場合には弁護士や司法書士にすぐに相談しましょう。
新たに住宅ローン・マイカーローンを組む際の注意点
信用情報機関の記録は一定期間を経過してしまえば削除されます。
その後はクレジットカードも契約が可能になりますし、住宅ローンや自動車ローンも利用できます。
クレジットカードが契約できればショッピングローンも問題なく使えます。
ただし、債務整理後にローンを組む方法として注意したいことがあります。
注意点は、過去に借入をしていて債務整理の対象にした金融機関は避けることです。
たしかに信用情報機関の記録は消えますが、それぞれの金融機関や貸金業者で自社の記録としては残っています。
管理や基準は金融機関で異なりますが、過去にお金を貸して債務整理をしたという記録は長期間保管されるため、審査には通らないでしょう。
また、クレジットカードやカードローンは自分でも判断できますが、住宅ローンや自動車ローンの申し込みをするときには判断しにくい場合があります。
住宅ローンや自動車ローンを利用する際はローンの保証会社がどこなのかを確認することをおすすめします。
また、グループ会社や会社同士の合併などもあるので注意が必要です。
もちろん、必ず通らないということではありません。
債務整理をおこなった金融機関でも一定の資産があるなど条件が整っていればローンが通ることもあります。
新しくローンを申し込みするときには、なるべく債務整理の対象にした貸金業者とは一切関係がない会社を選択するようにしましょう。
債務整理をする場合は司法書士や弁護士に相談したほうがいい理由
まず、当事務所は365日24時間・全国対応・お電話、もしくはメールでも無料相談可能です。
住宅ローンや車のローンを組んでいる最中に、その他に抱えている借金で返済が苦しくなってしまうと、家や車を手放すしかなくなる場合があります。
そうなる前に、住宅ローンや車のローン以外の借金を債務整理して解決することができます。
また将来、住宅ローンや車のローンを組む予定がある場合、借金が残っていてはローンの審査にとおる可能性が非常に低いといえます。
「債務整理をして借金を完済する」という選択肢をとったほうが早く住宅ローンなどが組める可能性がありますので、まずは司法書士や弁護士の無料相談を利用しましょう。
債務整理の無料相談は【司法書士法人みつ葉グループ】へ
当事務所ではお電話でも無料相談をおこなっており、個別のご相談者様の状況に合わせてできるだけご希望に近い手続きをご提案させて頂いております。
たとえば、家を失いたくない、連帯保証人がいる場合など、家族には内緒で債務整理手続きをおこないたいなど、希望があるときは無料相談で詳しくお話をお伺いさせてください。
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