債務整理をしたら住宅ローンはどうなるの?
無料相談のご連絡を頂く中で、
①「「債務整理をすると住宅ローンが組めなくなる?」
②「住宅ローンを払っているんだけど、債務整理をすると家を手放さなきゃいけない?」
という質問をされることがよくあります。
たしかに債務整理をすると、ブラックリストに登録されるため、借金問題を解決する代償として一定期間は、新規の住宅ローンを組むことができなくなります。
ただし、どの債務整理方法を選択するかによって影響がでる期間に違いがあり、一生住宅ローンが組めないわけではありません。
また、すでに住宅ローンを返済中の状態で、家を手放したくないという方は自宅をそのまま残して、他の借金のみ整理するという手続き方法があります。
住宅ローンを返済中
債務整理をするまえに、正しい知識を身につけて将来に向けた準備をしましょう。
もくじ
債務整理をすると、住宅ローンは組めないの?
住宅ローンの審査を申し込みすると、融資をおこなう金融機関は、申し込み人の「信用情報機関」の記録を必ず確認します。
債務整理をおこなった場合、情報が残っている一定の期間内は住宅ローンの審査には通りません。
債務整理をおこなった記録が残っている間は、過去に「金融事故をおこした」と認識されるためです。
ただし、記録が消滅したあとに住宅ローンを組んでいるひとは大勢います。
そもそも、債務整理をしていなくても借金があることは信用情報を確認されたときに金融会社に知られてしまうため、余程の資産がないかぎり、借金を抱えて住宅ローンの審査にはとおりません。
そのため、借金を一括返済ができない場合には債務整理をして、ブラックリスト期間に貯蓄をするほうが早く住宅ローンを組むことができるでしょう。
【債務整理手続き別】住宅ローンに与える影響
任意整理
- 任意整理とは・・・
- 今現在、残っている借金の利息をゼロにした上で、毎月の返済額を今までより少ない金額で返済していけるように貸金業者と直接交渉する手続きです。
任意整理をして住宅ローンに与える影響
<住宅ローンを組んでいない場合>
完済から5年間は住宅ローンが申し込みできなくなる。
<現在、住宅ローンの返済中の場合>
任意整理を選択した場合、住宅ローンを組んでいても、住宅ローンを外して借金だけを任意整理することができるので家はそのまま残せます。
個人再生
- 個人再生とは・・・
- 裁判所に借金の減額を申し立てをして、借金の総額をおよそ5分の1程度まで減額させる解決方法です。
個人再生には、住宅ローンを返済中の方の救済方法があり、自宅を残すことができる特例措置があります。
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個人再生をして住宅ローンに与える影響
<住宅ローンを組んでいない場合>
完済から5年間は住宅ローンが申し込みできなくなる。
<現在、住宅ローンの返済中の場合>
現在、住宅ローンを組んでいる場合は「住宅ローン特則」という制度を利用することで、自宅を残すことが可能です。
ただし、住宅ローン以外の借入は、整理する貸金業者を選択するということはできず、住宅ローン以外のすべての借金が債務整理の対象となります。
自己破産
- 自己破産とは・・・
- 裁判所に申し立てをして、借金を全て無くしてもらうことができる唯一の方法です。
自己破産をして住宅ローンに与える影響
<住宅ローンを組んでいない場合>
借金がゼロになってから10年間は住宅ローンが申し込みできなくなる。
<現在、住宅ローンの返済中の場合>
自己破産をすると、すべての借金をゼロにしてもらうことになるため、住宅ローンも債務整理の対象になり、返済中の自宅は手放すことになります。
特定調停
- 特定調停とは・・・
- 裁判所にご自身で出向き、裁判所の調停員に貸金業者との間にはいってもらい、毎月の返済額を今までより少ない金額で返済できるよう交渉してもらう手続きです。
利息がゼロになるかどうかは貸金業者との交渉次第です。
特定調停をして住宅ローンに与える影響
<住宅ローンを組んでいない場合>
完済から5年間は住宅ローンが申し込みできなくなる。
<現在、住宅ローンの返済中の場合>
特定調停は任意整理の手続き同様、選択した貸金業者だけを債務整理することが可能なので、住宅ローンを返済し続けられれば、自宅は残すことができます。
債務整理をして完済後は住宅ローンを借りられる?
住宅ローンの種類は3種類
住宅ローンの種類には大きく分けて3つの種類があります。
① 銀行ローンを主体とする「民間融資(みんかんゆうし)」
住宅ローンを組むときに一番先に申し込みを検討するのが、銀行の住宅ローンですね。
ただし、債務整理した場合、債務整理の対象にした貸金業者のグループになっている銀行はその情報を手に入れやすいということになります。
ブラックリスト期間が終わって住宅ローンの申し込みをする場合は債務整理をした貸金業者がかかわっていない銀行に申し込みをするように注意が必要です。
② 自治体など公的機関による「公的融資(こうてきゆうし)」
財形(ざいけい)融資は、勤務先で財形貯金を1年以上おこなっていて、残高が50万円以上ある場合に申し込みができるという融資です。
借入時の金利は1%前後(5年固定)で、貯蓄残高の10倍(最高4,000万円まで)のローンが借りられます。 財形貯蓄をおこなっている人は勤務先に確認してみましょう。
③ 民間融資と公的融資の中間に位置する「協調融資(きょうちょうゆうし)」
「フラット35」とよばれるローンの種類で、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携した長期固定金利型の住宅ローンです。
フラット35の「本審査」は、住宅金融支援機構がおこなうため、どの金融機関から申込んでも、フラット35の審査結果は変わりません。
住宅ローンの審査は二段階
住宅ローンの審査は、2段階でおこなわれています。
-
①住宅ローンの貸し手である銀行などの金融機関によって行われる「仮審査」
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②金融機関に対して住宅ローンの債務保証をする信用保証会社によって行われる「本審査」
- 仮審査の審査項目
-
●返済負担率・・住宅ローン、その他のローンと合わせて、収入の何%に当たるのか
●現在の借り入れ状況・・現在の借り入れ状況、借入先、車のローンなどがあるか
●信用情報機関・・返済の遅れ、異動(ブラックリスト)情報が無いか
- 本審査の審査項目
-
●物件の担保価値・・物件の資産価値・担保価値(その物件がいくらで売れるのか)
●勤続年数・・勤務年数1 年以上、または3年以上が目安
●業種、雇用形態・・収入の安定性(派遣社員や契約社員など雇用の安定性が低いと判断される)
●健康状態・・団信と呼ばれる「団体信用生命保険」に加入できる健康状態かどうか
審査項目からわかるように、債務整理の手続きをしなかったとしても、よほど年収が高いことや、大手企業勤めなど条件がそろわないかぎり、借金がある状態で住宅ローンは組むことは非常に難しいです。
過去に債務整理をしていても、きちんと完済してブラックリスト期間が終わっている方が無駄な借入がない状況と判断されるため、仮審査も通りやすくなります。
家族が債務整理している場合の影響
配偶者や家族が債務整理をしていたとしても、住宅ローンを申し込みする本人の信用情報以外、金融会社が調べることはありませんので、審査の際には全く影響ありません。
ただし、債務整理した家族を連帯保証人にする場合は審査が入りますので、ブラックリストの期間に十分注意しましょう。
債務整理をしても住宅ローンを通す方法
頭金(あたまきん)を充分準備する
頭金は物件価格の2割は用意したほうがいいとされています。
頭金があれば、銀行などから借入をする際の借入総額が下がります。
借入総額が下がると、月々の返済額が下がるということになります。
当然、借入希望額がおおきいほど金融機関の審査はきびしくなりますので、債務整理後のブラックリスト期間は頭金を貯金するようこころがけましょう。
債務整理していない金融機関の住宅ローンに申し込む
債務整理をした場合、グループ会社に審査を申し込みしても、住宅ローンの審査が通らなくなる可能性があります。
いわゆる「社内ブラック」という状態で、信用情報のブラックが消滅したあとでも社内の情報としては長期間のこっている可能性があるためです。
住宅ローンの申し込みをするときは関係のない金融機関に申し込みするよう注意しましょう。
アコム | 三菱UFJ銀行 |
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プロミス(SMBC) | 三井住友ファイナンシャルグループ |
ノーローン(シンキ) | 新生銀行 |
モビット | 三井住友銀行 |
アイフル | 特になし |
家族名義で住宅ローンを組む
債務整理するとブラックリストに登録されるため、住宅ローンは一定の間、審査は通りません。
どうしても住宅ローンを組みたい場合は、家族名義での申し込みを検討しましょう。
ブラックリストに登録されているのは債務整理をおこなった本人だけです。
家族に影響が及ぶことはありません。
そのため、家族の中に安定した収入力のある人がいれば、その家族名義で住宅ローンを組む方法があります。
収入合算やペアローンに申し込む
住宅ローンを組む方法として「収入合算」や「ペアローン」に申し込む方法があります。
収入合算
借入金額が足りない場合に配偶者や家族の収入を合算することで、借入金額を増やす方法です。
- 住宅ローンの名義人はひとり
- 夫が名義人、妻が収入合算者とした場合、妻は夫の連帯保証人になる
ペアローン
ペアローンとは、1つの物件に対して夫婦や家族、それぞれが名義人になり住宅ローンの借入をして、それぞれが返済をするものです。
- 持ち分は出した金額に応じて決まる
- 住宅ローン控除もそれぞれが使える
- それぞれが連帯保証人になる
現在、住宅ローンを利用中の債務整理方法
住宅ローン返済中に他の借金を債務整理する
住宅ローンを返済している途中で借金の債務整理をするポイントは、「家を残したい!」という希望があるかどうか」をはっきりさせることです。
- 家を手放してもいい時の債務整理
-
●自己破産
住宅ローン以外を債務整理することは可能です。
しかし、あくまで自己破産以外の債務整理は借金が残り、返済を継続していく方法です。
毎月、住宅ローンと合わせてきちんと返済していかなくてはなりません。
家を手放したくない場合は、どの手続きを選んだらいいのか至急、司法書士や弁護士に相談しましょう。
住宅ローンも借金も払えない、影響がでてきている
住宅ローンの返済も借金の返済も厳しい状況になった場合に、どの債務整理手続きを選択するのか選ぶポイントは、
「住宅ローン以外の借金の返済額が減ったら、住宅ローンの支払いはそのまま継続できるかどうか」をはっきりさせることです。
- 住宅ローン以外の返済額が下がっても返済が継続できない場合
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●自己破産
借金が住宅ローンにまで影響をおよぼしている場合はかなり緊急事態です。
一番やってはいけないのは、家を手放したくない一心で、自分でどうにか解決しようと「新たな借金をして返済に充てる」ことです。
この方法は一時的に返済できたとしても、数カ月で必ず行き詰まり、さらに最悪な状態になることが目に見えています。
住宅ローンに影響がでてきている場合は、すぐに司法書士や弁護士に相談しましょう。
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債務整理をすると一生住宅ローンが組めないわけではありません。
5~10年の一定期間を待てば住宅ローンの利用することは可能です。
しかし、年齢が審査に影響を与えることもあるため、これから住宅ローンを組みたいと考えている人は早めに債務整理をして借金を完済しておかなければなりません。
また、住宅ローンを利用中で借金の返済が苦しい場合も早く債務整理をして住宅ローンを継続的に返済できるようにしなければ、マイホームを手放す以外に選択肢がなくなってしまうこともあります。
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